釣りの手法の変化に伴い、釣り餌の卸問屋さんが嘆いている

釣り

先日、仲の良い釣り問屋さんの社長に会いました。社長といっても、ほぼ一人で切り盛りしている方です。元々は鮎の友釣りで知り合って、顔を合わすと釣りの話で盛り上がる仲です。

そんな社長さんが釣りの餌が売れなくなったと嘆いていました。社長も私も理由は知っています。それは疑似餌を使った釣り人口が爆発的に増えているからです。疑似餌というと、ルアーやワーム、タイラバなどというものが有名です。

元々は湖や河川でのバス釣りから始まったものですが、最近では海の釣りでも使えることがわかり、爆発的に広がっています。日本の漁師さんも疑似餌を使っていた経緯があります。そしてわたしの知る範囲では30年前が釣り人口の95%以上が餌を使った釣りでした。

では今はどうかというと、餌を使った釣りは30%ほどしかないといいます。しかし社長さんは当然のように更に知っていました。釣りそのものの人口が30年間で30%以上減っているそうです。その減った人口の中の餌を使う割合が30%という事は相乗積でいうと、30年前の餌釣り人口の9%しかいないと言う事です。

更に社長さんは、釣の分野の話をしました。一番減ったのが磯釣りだと言いました。磯釣りといえばかつては、荒磯の大物釣りとして、いつかは磯釣りをしたいという子供たちの夢の釣りでした。私もそうでした。社会人になって給料をもらいだしてから、磯釣りを始め通ったものです。

餌代、磯渡しの渡船代、往復のガソリン代、弁当などを考えると、1回に付き、7000円~14000円コースでした。それでもあの豪快なやり取りに魅せられると決して高くはないと思いました。

そんな私が鮎の友釣りや、ルアー釣りを始めると磯釣りは止めてしまいました。一度道具をそろえると、釣行にほとんど金のかからない友釣りやルアー釣り、そして豪快なやり取りは磯釣りに匹敵する釣りです。

特に家庭を持つと、10000円を一回で使うより、10000円で何度も楽しめる方に向いてしまいます。当然の結果でした。磯釣りの次に餌を使う船釣りも、今や疑似餌釣りがメインになっています。

船代と餌代で15000円近くかかっていた費用が、疑似餌に替えるだけで10000円前後に節約でき、釣果はほぼ変わりません。一方堤防などでは、餌を使う釣り人は高齢者のみで、若年層から中年層までもがルアーなどを使った釣りになっています。

そんな現状を話したあと社長は、この商売も私の代でもう終わりと話していました。他の商品を販売しようと試してみたものの、すでに先行者がいて、競争激化の分野に遅れて参入するのは非常に厳しいのが実情だったそうです。

釣りの世界は一度はまってしまうとやめれなくなるもので、釣業界の商売は安定商売と思っていましたが、時代の流れと共に釣りの世界も大きく変化しているものだと実感しました。